【ベオグラード万博2027】セルビア館の外観・内部パース公開!約5,800㎡の展示空間&屋上スカイガーデン

ベオグラード万博 EXPO 2027

2027年5月15日から8月15日まで、セルビアの首都ベオグラードで開催される「Expo 2027 Belgrade(ベオグラード万博)」。

世界各国のパビリオン準備が進むなか、開催国セルビアの“顔”となるナショナルパビリオン、

「Serbian House(セルビアン・ハウス/Srpska kuća)」

の姿もかなり具体的になってきました。

設計チームからはすでに外観・内部空間の完成イメージが公開されており、現在の計画では約5,800㎡の展示エリア、約2,650㎡のメイン展示ホール、没入型の導入空間、飲食施設、さらに一般来館者も利用できる屋上スカイガーデンなどを備える大規模施設となります。

2026年9月にはExpo 2027公式から建設中の様子も改めて紹介され、「Serbian House」がセルビア各地域と世界をつなぐ拠点になることも明らかになりました。

今回は、開催国セルビアがどのような国家館をつくろうとしているのか。

建築デザイン、内部空間、展示計画、設計チーム、最新の建設状況、そして万博終了後のレガシーまで、2026年9月25日時点で公開されている情報を詳しく紹介します。

※Expo 2027 Belgrade全体については、ベオグラード万博2027|日本館・参加国・最新情報まとめでも紹介しています。

セルビア館「Serbian House」とは?

「Serbian House」は、Expo 2027 Belgradeの開催国であるセルビア共和国のナショナルパビリオンです。

建設地は、ベオグラード郊外・スルチン(Surčin)地区に整備されているExpo会場のZone E。

2026年9月4日にはセルビア首相Đuro Macut氏が建設現場を視察し、Expo 2027公式も「Serbian House: A Meeting Place for Serbia and the World」と題して、その役割を詳しく紹介しました。

単純にセルビアの歴史や文化を展示するだけではありません。

Serbian Houseでは、

・文化
・観光
・伝統
・ガストロノミー
・自然
・経済
・投資ポテンシャル
・地域開発
・現代のセルビア

などを通して、セルビアという国全体を世界へ紹介することが計画されています。

セルビア国内の自治体や各地域も参加し、「ベオグラードだけではないセルビア」を世界中の来館者へ紹介する場所になります。

Expo 2027のDanilo Jerinić氏は、Serbian Houseを来館者がセルビア各地をさらに知るための“出発点”として位置づけています。

つまり、

Expo会場でセルビアを知る
↓
Serbian Houseで各地域に興味を持つ
↓
実際にセルビア国内を旅する

という流れまで意識されたパビリオンです。

開催国のパビリオンは、各国パビリオンとは規模が違う

Expo 2027 Belgradeでは、多くの参加国が主催者側の用意する国際参加者向けパビリオンを使用します。

一方、開催国セルビアの「Serbian House」は、それらとは異なる大型の独立施設として建設されています。

現在ALEATEKが公開している設計情報では、

項目現在公開されている計画
名称Serbian House / Serbian National Pavilion
場所Surčin・Expo 2027会場 Zone E
敷地規模約3,300㎡
建物規模約13,544㎡※
展示エリア約5,800㎡
メイン展示ホール約2,650㎡
同時収容設計約5,000人
設計上の最大日間処理能力10万人超
屋上一般開放型Sky Garden
機能展示・情報・飲食・交流・会議・行政等

※面積表記については後述します。

かなり巨大です。

Expo全体のテーマ館や各国パビリオンの配置については、ベオグラード万博2027|公式マスタープラン・パビリオン構成でも詳しく紹介しています。

外観は「キューブから球体へ」

Serbian Houseの最大の特徴のひとつが、独特な建築フォルムです。

建物下部は、安定した四角形・キューブ状の形から始まります。

ところが上へ進むにつれて輪郭が徐々に変化し、上層部では柔らかな球体を思わせる形へ移行していきます。

設計を担当するALEATEKは、この変化する建築について、

Movement
Continuity
Openness

つまり、

「動き」
「連続性」
「開放性」

という考え方を表現するものと説明しています。

さらに、セルビアが生み出してきた科学思想の歴史からもインスピレーションを受け、建築そのものを「国家を表現するメディア」として捉えています。

単に目立つ形をつくるのではなく、

伝統から未来へ
安定から変化へ
閉じた形から開かれた形へ

という変化そのものが、セルビアの国家館を象徴するデザインになっているようです。

外観だけではない。テラスや空洞が内外をつなぐ

完成イメージを見ると、Serbian Houseは単純な巨大な箱ではありません。

キューブから球体へ変化する過程で、建物には複数の段差、テラス、空洞、半屋外的な空間が生まれています。

その結果、

屋内展示を見る → 外へ視線が抜ける → 上層へ移動する → 再びExpo会場が見える

という、建物全体を歩きながら体験する構成になりそうです。

ALEATEKも、パビリオンでは建物単体ではなく、

「遠くから見る」
「近づく」
「入口で待つ」
「内部へ入る」
「展示を見る」
「立ち止まる」
「再びExpo会場へ戻る」

という一連の来館者体験を設計することが重要だと説明しています。

約5,000人が同時に滞在する想定の巨大施設だからこそ、展示内容だけではなく、人の流れそのものが建築設計の重要な要素になっています。

建物は4層。メイン展示は3層にまたがる計画

2026年9月の現地報道では、建設中のSerbian Houseについて4つのレベル(4層)が確認されています。

さらにセルビア国内で公開されている設計情報では、約2,650㎡のメイン展示エリアは3層にわたって展開する計画とされています。

ただし現時点では、

「1階=○○」
「2階=○○」
「3階=○○」

といった正式なフロア別展示内容までは公開されていません。

そのため、具体的な展示動線や各階のテーマについては今後の発表待ちです。

それでも、一般的な参加国パビリオンとはかなり異なるスケールの“縦方向の展示体験”になる可能性があります。

展示エリアだけで約5,800㎡

Serbian Houseの展示関連エリアは、現在の設計で約5,800㎡。

その中心となるメイン展示ホールは約2,650㎡です。

さらにエントランスロビー周辺には、来館者を展示世界へ導くimmersive introductory spaces(没入型の導入空間)も計画されています。

つまり、入口を通過して突然メイン展示を見るのではなく、

建物に入った瞬間からセルビア館の物語が始まる

ような設計が想定されています。

これはExpoパビリオンらしいポイントです。

展示テーマは「セルビアそのもの」

現時点では、「Join the Flow」のような独立した正式な展示タイトルは確認できません。

しかし、Expo 2027公式やセルビア政府が公表している内容から、Serbian Houseが何を見せようとしているかはかなり明確になっています。

中心となるのは、

「セルビア全体を世界へ見せること」

です。

首都ベオグラードだけではなく、セルビア各地の自治体・地域が、

・文化
・歴史
・自然
・観光
・食文化
・伝統
・産業
・経済
・投資
・イノベーション
・地域開発

などを紹介します。

2026年7月にはセルビア観光・青年省、行政・地方自治省、Expo 2027の間でSerbian Houseに関する協力協定も締結されました。

セルビア政府はこの中で、

「Serbia in miniature(小さなセルビア)」

ともいえる場所として、すべての地方自治体に自らの特色を紹介する機会を与える方針を示しています。

「Discover Serbia」と連動するパビリオン

さらに興味深いのが、Serbian Houseと「Discover Serbia」構想との連動です。

Expo 2027公式はセルビア各地で「Expo Caravan – Pavilion of Play」を展開しており、各地域の文化・観光・スポーツ・伝統などを紹介しています。

その中でも繰り返し語られているのが、

Expoを訪れた外国人に、ベオグラードから先のセルビアまで旅してもらう

という考えです。

たとえば、

Golubac
Novi Pazar
Kragujevac
Negotin
Vrnjačka Banja
Raška

など、それぞれ特色の異なる地域があります。

Serbian Houseは、こうした地域を世界の来場者へ紹介するショーケースとなり、Expo会場の外へ旅行を促す入口にもなります。

これは通常の「国の歴史紹介」型パビリオンよりも、かなり観光政策・地域振興に踏み込んだ使い方と言えそうです。

食文化も重要なコンテンツになりそう

Expo 2027公式がSerbian Houseで紹介する要素として明確に挙げているのが、

gastronomy(ガストロノミー)

です。

建物内にも、

・Coffee Lounge
・Food & Beverage Area

などの飲食関連施設が計画されています。

そのため、セルビア料理や地域ごとの食文化を実際に体験できる場所になる可能性があります。

ただし、2026年9月25日時点では具体的なメニューやレストランブランド等は未発表です。

今後の発表に注目したいポイントです。

過去の「Serbian House」でも没入型展示を展開

ここでもう一つ興味深い点があります。

今回のSerbian Houseのコンセプト作者であるDr. Dušan Jovović氏(Artbeat)は、2024年パリ五輪期間中に展開されたセルビアの文化拠点「Serbian House」でも展示制作を担当しています。

当時の「Roots」展示では、

・高さ6.5mのTree of Life
・音
・香り
・動き
・大型映像
・アルゴリズムによって動くアート
・Nikola Tesla
・Milutin Milanković

などを組み合わせた没入型展示が展開されました。

ただし重要なのは、パリ2024の展示内容がそのままExpo 2027へ持ち込まれると発表されたわけではありません。

ここは区別する必要があります。

それでも、同じDušan Jovović氏がExpo 2027の国家館コンセプトを担当し、今回もエントランスに没入型空間が計画されている点を見ると、どのような展示演出になるのか非常に気になるところです。

屋上には一般開放の「Sky Garden」

個人的に特に気になるのが、屋上に計画されているSky Garden(スカイガーデン)です。

設計情報では、この屋上庭園は一般来館者もアクセスできる予定。

Expo会場を一望できるパノラマビューを備えた公共空間になります。

セルビア館自体が大規模な建築なので、完成すれば、

「Expo 2027の会場を上から眺められるスポット」

として人気になる可能性もあります。

各国パビリオンを歩くだけでは分からないExpo会場全体のスケールを感じられる場所になりそうです。

カフェ・情報センター・交流機能も

Serbian Houseは展示だけの施設ではありません。

現在公開されている計画には、

・Information Center
・Coffee Lounge
・Food & Beverage Area
・Visitor Facilities
・Administrative Offices
・Sky Garden

などが含まれています。

施設用途自体も「Exhibition / Conference Center」とされています。

つまり、

展示を見る場所
+
セルビアを知る場所
+
人が集まる場所
+
ビジネス・交流の場所

を一体化した施設です。

開催国館らしい構成と言えるでしょう。

同時に約5,000人を収容

設計者ALEATEKによると、Serbian Houseは約5,000人を同時に収容できるよう設計されています。

さらに設計上の来館者処理能力として、1日10万人以上という数字も示されています。

ただし、この「10万人」という数字は実際に毎日10万人が訪れるという来場予測ではなく、施設設計上の処理能力として理解する必要があります。

Expo 2027全体では400万人を超える来場者が見込まれているため、開催国館として非常に大きな来館者フローを想定して設計されていることが分かります。

設計・制作チームがかなり国際的

Serbian Houseは、セルビア国内だけで完結するプロジェクトではありません。

現在公表されている主なチームは次の通りです。

担当企業・人物
コンセプトArtbeat / Dr. Dušan Jovović
建築設計Foring d.o.o. + ALEATEK Studio
デザインチームStevan Popović、Danilo Trevisan、Jakša Nikodijević、Milica Grujić
構造・設備Foring d.o.o.
プロジェクトマネジメントDesign & More / Petar Popović
インテリアMUSE Design / Mirjana Karalić Popović
ゼネラルコントラクターPower China
BIMShenzhen Chenpson Information Technology
建築ビジュアライゼーションShenzhen ZZY Building Architectural Design
Commissioner GeneralŽarko Malinović
クライアントセルビア共和国財務省

セルビアのクリエイティブチームと建築会社に加えて、中国企業も施工・BIM・ビジュアライゼーションに参加しています。

Expo 2027を象徴する国家プロジェクトらしく、非常に国際的なチーム構成です。

なぜ古い資料では「19,000㎡」なのか?

Expo 2027を以前から追っている人は、

「セルビア館は19,000㎡ではなかった?」

と思うかもしれません。

実際、Expo 2027の初期Participation Guideでは、Serbian National Pavilionについて、

・敷地:約3,000㎡
・総床面積:約19,000㎡

という計画が示されていました。

一方、現在ALEATEKが公開している設計では、

・敷地:約3,300㎡
・建物:約13,544㎡

となっています。

さらにセルビア国内の設計紹介では、13,544.24㎡という数字と、延べ面積17,244.14㎡という別の数値も掲載されています。

つまり、初期マスタープランから設計が具体化する過程で計画が変更された可能性に加え、「net area」「GFA」など面積の定義が資料によって異なっている可能性があります。

そのためK-WayYesでは、現在の建築内容については最新の設計チームALEATEKが公開している約13,544㎡という情報を基本としながら、面積表記には今後も注意して確認していきます。

2026年9月現在、建設はかなり進行

Serbian Houseは「まだCGだけ」のプロジェクトではありません。

2026年9月4日にはセルビア首相Đuro Macut氏が建設現場を訪問。

さらに9月中旬の現地報道では、建設中の4つのレベルすべてを視察したことも報じられています。

つまり、

コンセプト発表
↓
基本設計
↓
外観・内部パース公開
↓
施工
↓
4層の建物が形成されつつある

というところまで進んでいます。

開幕は2027年5月15日。

今後は外装工事だけでなく、展示施工、映像・音響、飲食、運営などの準備も本格化していくことになりそうです。

Expo終了後も残る「レガシー」

そしてSerbian Houseを理解するうえで重要なのが、93日間だけの仮設施設ではないという点です。

Expo 2027公式は、会場整備について「Expoの93日間だけのために建設しているわけではない」と説明しています。

Expo終了後、この地域ではBelgrade Fairをはじめとする新たな利用が計画され、より広いレガシー計画として、

・学校3校
・幼稚園3施設
・約20のスポーツホール

なども予定されています。

Serbian Houseそのものの最終的なExpo後用途については、今後さらに詳細な発表を待つ必要がありますが、少なくとも建築そのものがExpo後の新しい都市・文化エリア形成を意識して設計されていることは明確です。

「開催国の顔」となるパビリオン

世界各国のパビリオンを見るのもExpoの大きな楽しみですが、開催国が自分たちをどう表現するのかを見ることも万博の醍醐味です。

Expo 2027 Belgradeでは、

Serbian House

がその役割を担います。

キューブから球体へ変化する大胆な建築。

約5,800㎡の展示空間。

3層にまたがる大規模なメイン展示。

没入型エントランス。

セルビア各地域の文化・観光・食・経済・イノベーション。

そして屋上からExpo会場を眺めるSky Garden。

現在公開されている情報だけでも、ベオグラード万博で注目したい施設のひとつになりそうです。

今後、正式な展示タイトル、具体的な体験コンテンツ、飲食内容、館内動線などが発表されれば、さらに追記していきます。

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※本記事は2026年9月25日時点で、Expo 2027 Belgrade、セルビア政府、ALEATEK GROUP、セルビア政府機関などが公開している情報をもとに整理しています。

※建築面積、展示構成、収容人数、展示内容等は今後変更される可能性があります。

※外観・内部パースは設計者等が公開している公式・プロジェクト画像です。画像の転載・利用については各権利者の利用条件をご確認ください。

参考・出典

・ALEATEK GROUP「Serbian National Pavilion at Expo 2027 Belgrade」

・Expo 2027 Belgrade「Serbian House: A Meeting Place for Serbia and the World at Expo 2027」

・Government of the Republic of Serbia「Expo opportunity for stronger international promotion of Serbia」

・Serbian House「Exhibitions – Roots」

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