2027年5月15日から8月15日まで、セルビアの首都ベオグラードで開催されるExpo 2027 Belgrade(ベオグラード万博)。
ベオグラード万博は「Play for Humanity: Sport and Music for All」をテーマに掲げ、「Power of Play」「Play for Progress」「Play Together」という3つのテーマ領域で展開されます。これはExpo 2027 Belgrade公式資料でも示されています。 Expo 2027 Belgrade公式「General Brochure」
韓国もこの万博に参加し、KOTRA(大韓貿易投資振興公社)を中心に韓国館の準備を進めています。
韓国館が選択したサブテーマは、
「Play Together」
です。
KOTRAが公開した「2027ベオグラードExpo韓国館 展示業務入札提案要請書」では、韓国館の位置、規模、テーマ、展示方針などがかなり詳しく示されています。 韓国政府調達・KOTRA「2027ベオグラードExpo韓国館 展示業務提案要請書」
ベオグラード万博全体や日本館については、K-WayYesでもこちらでまとめています。
【セルビア・ベオグラード万博2027】日本館・最新情報まとめ
韓国館の基本情報
KOTRAの公式調達資料によると、韓国館はExpo会場のA3.1区画に配置されます。
敷地面積は972㎡、高さは最大10m。Expo主催者側から参加国へShell & Coreの建物が提供され、その内部空間や外部ファサード、展示コンテンツなどを韓国側が設計・制作していく方式です。
| 項目 | 内容 |
| パビリオン | 韓国館(Korea Pavilion) |
| 区画 | A3.1 |
| 敷地面積 | 972㎡ |
| 高さ | 最大10m |
| サブテーマ | Play Together |
| 目標来館者数 | 約41万人 |
| 1日あたり目標 | 約4,409人 |
| 運営期間 | 2027年5月15日~8月15日 |
| 主催・主管 | 韓国産業通商資源部/KOTRA |
韓国館は約41万人、1日平均4,409人の来館を目標としており、Expo全体の来場者の約10%を韓国館へ呼び込む計画です。
会場全体におけるA3エリアやパビリオン配置については、こちらの記事でも紹介しています。
【公式マップ公開】ベオグラード万博2027のマスタープラン・パビリオン構成
韓国館のテーマは「Play Together」
KOTRAは「Play Together」を選んだ理由について、個人化が進む現代社会へのメッセージと、共同体的な韓国の遊び文化を表現するのに適しているためと説明しています。
つまり韓国館では、韓国の「遊び」を単なる娯楽として紹介するのではなく、
人と人をつなげる文化
として捉え直そうとしています。
Expo 2027公式でも「Play Together」は、スポーツや音楽を通じて人々が出会い、交流し、一緒に創造する「遊びの社会的側面」を扱うテーマとして説明されています。 Expo 2027 Belgrade公式「Play Together」テーマ説明
キーワードは「Restorative Connection」
韓国館独自のテーマをさらに深掘りしたキーワードが、
Restorative Connection
(回復的なつながり)
です。
KOTRAの公式資料では、デジタル社会の中で失われた人間関係を回復し、さらに新しい次元のつながりを生み出す必要性を示しています。
そして韓国館は、この考え方を過去・現在・未来という3つの時間軸で表現します。
過去|伝統の知恵
共同体を回復する知恵を持つ韓国の伝統的な遊び。
現在|韓流の共感
世界中の人々が共感し、一緒に楽しむK-コンテンツ。
未来|技術による接続
時空を超えて人々をつなぐ先端技術。
さらに、来場者が遊びの中に含まれる相互依存や協力の原理を実際に体験できるインタラクティブ空間として設計する方針です。
AI・ロボット×韓国文化の体験型展示へ
韓国館で特に注目したいのが、AI・ロボット技術の活用です。
KOTRAは2026年2月、韓国館に関する技術企業の公募を実施しました。
公式募集では、韓国館について、
AI・ロボット技術と「遊び」を融合し、韓国の技術と文化を紹介する体験型展示
を目指すと説明しています。 KOTRA公式「2027ベオグラードExpo韓国館 技術公募」
募集対象として挙げられていたのは、
- AIソリューション企業
- ロボット技術企業
- イマーシブコンテンツ技術企業
- その他の先端技術企業
などです。
KOTRAの展示業務提案要請書でも、AI・ロボット関連の韓国企業の先端技術を「一方的な技術説明」ではなく、体験型展示として取り入れることが求められています。
さらに、
- ファサード
- パフォーマンス
- インスタレーション
- 映像
- 実物展示
などを幅広く活用し、デジタルとアナログが調和した展示を提案するよう示されています。
つまり韓国館は、
韓国の伝統的な遊び
× K-カルチャー
× AI
× ロボット
× 参加型体験
を「Play Together」というテーマでつなぐパビリオンになりそうです。
韓国館の外観デザイン案も公開
そして建築好きにとって興味深いのが、韓国館の外観です。
韓国のデザイン会社CA-PLANは、Expo 2027 Belgradeの韓国館について、独自のデザイン提案を公式サイトで公開しています。
コンセプトは、
Infinite Orbit of Creativity
「無限の創造軌道」
です。
CA-PLANによると、デザインのモチーフになっているのは、韓国の伝統芸能南寺党ノリ(Namsadang Nori)で使われる「サンモ(상모)」です。 CA-PLAN「Expo 2027 Belgrade 韓国館」
サンモは、帽子についた長いリボンを回転させながら空間に大きな軌跡を描く伝統芸能です。
CA-PLANは、このサンモの動きを建築的な形へ変換し、韓国の伝統、自然、未来技術が一つの軌道でつながるパビリオンを提案しています。
外壁そのものが動く「Kinetic Façade」
CA-PLANのデザイン案で特に目を引くのが、Kinetic Façade(キネティック・ファサード)です。
外壁には多数の円形モジュールが配置され、それぞれが機械的に回転することで、サンモが空中に描くダイナミックな軌道を表現します。
昼間は太陽光の角度によって立体的な陰影を生み、夜間には内部のメディア照明や周囲のパビリオンの光を反射。
CA-PLANは、外壁全体が巨大な芸術的メディアウォールとして機能する構想を示しています。
なお、KOTRAの公式提案要請書でも、韓国館のファサードについて2面まで設置可能、高さ10m以内とし、来場者とのインタラクションや昼夜の演出を考慮した外部展示を求めています。
つまり、CA-PLANのキネティックな提案は、KOTRAが求めている「外壁自体を展示として活用する」という方向性とも一致しています。
館内には巨大ドームとヒューマノイドの構想も
CA-PLANが公開しているデザイン提案では、内部空間についてもかなり未来的な構想が描かれています。
館内中心部には巨大なドーム空間を設け、サンモの軌跡を表現するライン照明によって、空間全体が回転しているような感覚をつくります。
さらに中央には、ヒューマノイド技術を組み合わせたパフォーマンスも提案されています。
「人間」「テクノロジー」「芸術」をつなぐ体験という点では、KOTRAが正式に示しているAI・ロボット展示の方針とも重なる部分があります。
注意|外観CGは「最終確定デザイン」ではない
ここは記事内で明確にしておく必要があります。
CA-PLANのプロジェクトページには、
Scope of Works: Design Proposal
と記載されています。
したがって、2026年9月時点では、CA-PLANが公開している外観CGを
「韓国館の最終確定した公式外観」
と断定することはできません。
本記事では、
「Expo 2027 Belgrade韓国館について公開されているデザイン提案」
として紹介しています。
最終的な外観についてKOTRAや制作事業者から正式発表があった場合は、今後更新する予定です。
韓国館の展示事業はSIGONGTECHが受注
韓国館は、すでにテーマ検討だけではなく実際の展示制作フェーズへ進んでいます。
韓国の展示・空間制作会社SIGONGTECH(シゴンテック)は2026年7月7日、公式サイトで、
「2027ベオグラードExpo 韓国館[KOTRA]」
のプロジェクトに選定されたことを発表しました。
同社の発表では、プロジェクト所在地としてExpo会場内A3.1区画も明記されています。 SIGONGTECH公式「2027ベオグラードExpo 韓国館[KOTRA]当選」
KOTRAの政府調達資料によると、韓国館展示業務の事業予算は90億ウォン。
この業務には、
- 空間設計
- 展示企画
- コンテンツ制作
- 展示物設置
- PM・監理
- 展示施設の維持管理
- 閉幕後の撤去
まで含まれています。
さらに、建築・Fit-outについては展示業務とは別に予定工事費30億ウォンが示されています。
かなり大規模な国家パビリオンプロジェクトであることが分かります。
韓国館の中には何ができる?
KOTRAの公式資料では、韓国館内部に必要となる施設構成も公開されています。
予定されているのは、
- 展示室
- VIPラウンジ:10名
- オフィス:30名
- 会議室:10名
- スタッフ休憩室:20名
- Retail
- F&B
などです。
オフィスにはKOTRA、展示、運営、イベントチームなどが入る想定になっており、韓国館が単なる展示施設ではなく、イベント・VIP対応・事務局・スタッフ運営・商業施設まで含む一つの運営拠点になることが分かります。
韓国館ではProject Coordinatorの求人も開始
韓国館では、制作だけでなく現地運営体制の構築も始まっています。
KOTRA Belgrade名義で現在、
EXPO 2027 Project Coordinator – Korean Pavilion
1名の募集が出ています。
勤務開始は2026年10月頃を予定し、韓国館の開幕準備、セルビア側の行政機関や事業者との調整、会期中の運営、Protocol・VIP対応、イベント、さらに閉幕後の事務処理まで担当する長期ポジションです。 KOTRA Belgrade「EXPO 2027 Project Coordinator – Korean Pavilion」求人
韓国館がすでに、
構想
→ 展示制作
→ 現地運営準備
という段階へ進んでいることが分かります。
ベオグラード万博の最新求人については、K-WayYesの総合ガイドでまとめています。
【ベオグラード万博2027求人情報】海外パビリオン・日本館・ボランティア最新情報
USA館・スイス館の採用情報はこちらです。
ドイツ館など、各国パビリオンの構想も続々
ベオグラード万博では韓国館だけでなく、各国が「Play」というテーマを独自の方法で表現し始めています。
ドイツ館では「Germany! Out of the Box.」を掲げ、ドイツらしい発想や創造性を体験につなげる構想が発表されています。
【ベオグラード万博2027】ドイツ館「Germany! Out of the Box.」
他国パビリオンの発表が揃ってくると、「Play Together」を選んだ韓国館との違いもより見えてきそうです。
まとめ|韓国館は「韓国の遊び」を未来技術へつなぐ
Expo 2027 Belgradeの韓国館は、
「Play Together」
をテーマに、韓国の遊び文化を通して人と人とのつながりを再構築するパビリオンを目指しています。
現時点で確認できる内容を整理すると、
- サブテーマは「Play Together」
- キーワードは「Restorative Connection」
- 過去=伝統の遊び
- 現在=K-コンテンツ
- 未来=AI・ロボット
- A3.1区画、972㎡
- 約41万人の来館を目標
- CA-PLANが「Infinite Orbit of Creativity」のデザイン案を公開
- サンモをモチーフにしたKinetic Façade
- SIGONGTECHが韓国館展示事業に選定
- Project Coordinatorの採用も開始
となっています。
K-POPや韓国ドラマといった現在の韓国文化だけではなく、伝統的な「遊び」から未来のAI・ロボットまでを一本のストーリーにつなぐ点が韓国館の大きな特徴になりそうです。
今後、KOTRAやSIGONGTECHなどから最終的な外観・展示内容が正式に公開された場合は、この記事でも随時更新していきます。

記事末尾の注意書き
※本記事は2026年9月3日時点で、KOTRA、韓国政府調達資料、SIGONGTECH、CA-PLANなどが公開している情報をもとに整理しています。
※CA-PLANが公開している外観・内部CGは「Design Proposal」と明記されており、現時点では韓国館の最終確定デザインとして扱っていません。


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