【大阪・関西万博】オマーン館を徹底解説|土地・水・人が紡ぐ物語と、オマーンビジョン2040

大阪・関西万博

大阪・関西万博の数あるパビリオンの中で、私にとって最も思い入れが深く、人生の大きな転機となった場所――それが「オマーン館」です。

万博でオマーンの魅力に魅せられた私は、館内で知った奨学金留学プログラムに応募し、今年(2026年)、約2ヶ月間オマーンへ渡航して現地でアラビア語を学びました。

留学を経てからあらためてオマーン館の展示を振り返ると、「あの時見たのはこの景色だったんだ!」「この伝統にはこんな深い意味があったのか」と、当時とは全く違う深い感動が込み上げてきます。

本記事では、展示の解説はもちろん、「万博から実際の現地留学へ飛び出した」私だからこそ語れるリアルな体験と、オマーンが描く『Vision 2040』の未来までを徹底的に解説します!

💡 この記事でわかること

  • 穏やかな国民性と豊かな自然を誇るオマーンの基本情報
  • 水と岩と光が織りなす「土地・水・人々の物語」を体感する建築美
  • 渓谷(ワディ)や砂漠、世界遺産の灌漑施設(ファラジ)と自然の共生
  • 2ヶ月の現地留学経験者(DIWAN学習者)だからわかる展示のリアルな背景
  • 国家指針『Oman Vision 2040』が描く持続可能な未来戦略
  • 「万博で出会い、現地へ行く」一歩を踏み出すための留学アドバイス

① はじめに|万博から始まったオマーンとの運命の出会い

「万博は、ただ展示を見るだけの場所ではなく、新しい世界への扉を開く場所」

私にとって大阪・関西万博のオマーン館は、まさにその言葉通りの存在でした。

館内に一歩足を踏み入れた瞬間に感じた、水音の心地よさと洗練された空間デザイン。そこでオマーンの歴史や文化に触れ、奨学金留学プログラムの存在を知ったことが、私の運命を大きく動かしました。

展示で見た景色を自分の目で確かめるために飛び立ったオマーンでの2ヶ月間。そこでの体験を踏まえて、この素晴らしいパビリオンの魅力をお届けします。


1. オマーンってどんな国?|中東のオアシスと穏やかな国民性

中東と聞くと荒々しい砂漠や高層ビル群をイメージする方も多いかもしれませんが、オマーンはそれらのイメージとは一線を画す美しい国です。

  • 位置・首都:アラビア半島南東部に位置し、アラビア海とオマーン湾に面する。首都はマスカット。
  • 豊かな自然:壮大なハジャール山脈、果てしなく続く砂漠、幻想的な渓谷(ワディ)、エメラルドグリーンの海。
  • 治安と人柄:中東屈指の治安の良さを誇り、国民性は非常に穏やかで親切。「中東のオアシス」「おもてなしの国」と称されます。

2. オマーン館のテーマ|「土地・水・人々の物語(Earth, Water and Humanity)」

大阪・関西万博のオマーン館が掲げるテーマは、「Earth, Water and Humanity(土地・水・人々)」です。

厳しい自然環境と共生しながら、知恵と技術を絞って豊かさを築いてきたオマーンの人々の歩みが、この3つの要素を通して美しく表現されています。


3. パビリオンの建築デザイン|自然との共生を五感で体感する

オマーン館の建築は、建物そのものがオマーンの風土を体感できるアートワークになっています。

展示空間へ向かう通路の上部には水が流れるガラス天井が施されており、揺らめく水影と自然光が館内をやわらかく照らします。さらに、岩や渓谷(ワディ)を思わせる空間設計とミストの演出が、まるで現地の大自然の中に紛れ込んだかのような感覚を与えてくれます。


4. 第一展示室

海から始まる命の物語

① 足元が海になる演出

床いっぱいに広がる青い海。

歩くたびに海の上を歩いているような感覚になります。

最初から世界観へ引き込まれました。


② 巨大な海の生命

ここで

  • クジラ
  • ウミガメ
  • サンゴ
  • 海洋生物

オマーンはアラビア海に面し、多様な海洋生態系を持つ国。

その豊かな海が映像で表現されています。


5. 第二展示室】大型シアターで体験する「土地・水・人」を繋ぐメッセージ

ここから展示は、オマーンという国の「価値観」へと入っていきます。

巨大スクリーンいっぱいに映し出されるのは、美しいオアシスや山々、海、そして人々の暮らし。

映像には、日本語・英語・アラビア語で印象的なメッセージが次々と映し出されます。

ここでは、オマーン館のテーマである「土地」「水」「人々」がいかに結びつき、過去から現在、そして未来へと受け継がれているかが、息をのむほど美しい映像と印象的なメッセージとともに語られます。


1. 命の源「水」と大地との調和

「私たちは大地から命を育てている」
「私たちはそれを地球の奥底から導き出し…」

水が限られるオマーンでは、古くから地下水路「アフラージュ」を利用し、人々は知恵を生かして農業を続けてきました。

これは、自然と共生するオマーンらしさを象徴するシーンです。

映像の冒頭で強調されるのは、過酷な自然環境の中で命を育んできた「水」と「大地」への深い敬意です。

スクリーンには、険しくも尊い岩山や緑豊かなオアシスが映し出され、聖クルアーンの言葉やオマーンの思想を表す一文が刻まれます。

  • 「すべての生物の起源は水にある」(クルアーン 21:30)
  • 「私たちはそれを地球の奥底から導き出し」
  • 「私たちは大地から広がっているといわれている」

オマーンの人々が古くから地下用水路「ファラジ」を築き、地球の奥底から引き揚げた水を分け合って生きてきた歴史。水が命をもたらし、その命が大地に広がり、豊かな社会を築いてきたという力強い哲学が心に響きます。


2. 「深く結束する」伝統と人々の絆

続いて映像は、オマーンの精神的支柱である「人々(Humanity)」の絆へと焦点を当てていきます。

スクリーンには、白い伝統衣装「ディシュダーシャ」に身を包んだ男性たちが、剣を手に持ち太鼓を打ち鳴らしながら伝統的な踊り(ラズハなど)を披露する壮観なシーンが映し出されます。

そこに掲げられている言葉は、「深く結束する(Deeply united)」

自然環境が厳しいからこそ、人々が互いに協力し合い、深いコミュニティの結びつきを大切にしてきたオマーンの真の強さを実感させられます。


3. 海を越えて世界と繋がる未来へ

展示のクライマックスでは、オマーンが古代から海洋国家として世界と交流してきた歴史と、これからの未来への視点が描かれます。

スクリーンには、かつて大航海時代を駆け抜けた木造船(ダウ船)や現代の美しい航海船、そして伝統衣装を着た次世代を担う子どもたちの姿が映し出されます。

そこに提示されるテーマは、「国境を越えてつながりを広げる(Extending links beyond borders)」です。

古くからインド洋交易の中心として栄えたオマーンは、現在も世界との交流を大切にしています。この言葉は、まさにOman Vision 2040が目指す「国際社会との連携」「持続可能な発展」と重なります。

オマーンは一国の中だけで完結するのではなく、海を通じて世界中に交易の手を広げ、平和的な関係を築いてきました。そして今、大阪・関西万博の場を通じても、世界中の人々と新たな「つながり」を築こうとしています。


【第二展示室を体験して】

言葉の一つひとつが美しく詩的で、単なる観光映像ではなく「オマーンという国家のアイデンティティと未来への意思」が凝縮された素晴らしいシアター体験でした。

大地から芽生えた命が、水を媒介にして繋がり、深い結束を持った人々となり、やがて海を越えて世界へと広がりを結んでいく――。万博のテーマである「いのちの輝き」や「共生」のメッセージがストレートに伝わってくる空間です。

「砂漠の国」と思われがちなオマーンですが、実は古くから「水」を極めて大切にしてきた国です。

展示で特に注目を集めていたのが、ユネスコ世界遺産にも登録されている地下用水路「ファラジ(灌漑システム)」の知恵です。山からの湧き水を過酷な乾燥地帯へと引き込み、村々や農地に公平に分配する技術は、オマーンの文明の礎となっています。


6. オマーンの伝統・文化

  • 乳香(フランキンセンス):古代から世界中を魅了してきた最高品質の香料文化
  • オマーン・コーヒーとデーツ:訪れた者を温かく迎える伝統の「おもてなし(カフワ)」
  • 伝統衣装:男性のディシュダーシャ(伝統服)や、美しい民族衣装

留学中、現地のオマーン人たちは見ず知らずの私にも笑顔で「ようこそオマーンへ!」と声をかけ、コーヒーやデーツを振る舞ってくれました。展示で紹介されている「おもてなしの心」は、オマーンの日常に今も息づいています。

私が感じたこと

留学を終えて、この映像を振り返ると、私は留学中に出会ったオマーンの人たちを思い出しました。

穏やかで、人とのつながりを大切にし、自然への感謝を忘れない。

パビリオンで映し出されていた世界は、私が実際にオマーンで感じた雰囲気そのものでした。

だからこそ、この展示は単なる映像ではなく、「オマーンという国の心」を表現しているように感じました。

7. オマーンビジョン2040|伝統から「未来の持続可能な国家」へ

オマーンが国を挙げて推進する長期国家戦略『Oman Vision 2040』について

石油資源への依存から脱却し、次世代のための持続可能な社会を構築する国家ビジョンです。

🎯 Oman Vision 2040の主要テーマ

  1. 経済の多角化:観光、物流、製造業、漁業の強化
  2. 再生可能エネルギー:グリーン水素や太陽光発電の積極導入
  3. 教育とデジタル化:知識集約型社会への移行と若者の人材育成
  4. 国際協力と平和:独自の「中立外交」を軸とした国際貢献

大阪・関西万博への参加も、このVision 2040に基づき、自国の技術や環境保全の取り組みを世界へ発信する重要なステップとして位置づけられています。


8. 【独自体験記】私がオマーン留学(DIWAN)で学んだこと

万博のオマーン館で奨学金プログラムのきっかけを掴んだ私は、オマーンにあるアラビア語教育機関「Sultan Qaboos Institute for Teaching Arabic to Non-Native Speakers(SQCA)」へ留学しました。

現地での2ヶ月間は、私の人生観を大きく変えるものでした。

  • 日本人一人の環境:世界中から集まった仲間とともに、朝から夕方まで集中してアラビア語を勉強。
  • 温かな人々との交流:街を歩けば親切なオマーン人が話しかけてくれ、語学だけでなく文化を肌で体験。
  • 年齢を気にせず挑戦する大切さ:「何かを始めるのに遅すぎることはない」と実感できた最高の挑戦。

展示で見た知識が、現地の人々との会話や風景を通して「自分自身の経験」へと変わっていくプロセスは、かけがえのない財産となりました。


9. 万博から留学へ|万博は「新しい世界への入口」

大阪・関西万博のオマーン館を訪れた当初は、単に「綺麗なパビリオンだな」という印象でした。

しかし、実際に現地を訪れた後に思い返すと、展示の一つひとつにオマーンの人々の歴史、水への感謝、そして未来への誇りが込められていたことが痛いほど理解できます。

万博とは、単なる「展示会」ではありません。「まだ見ぬ国と出会い、自分の足で現地へ飛び出すきっかけを与えてくれる場所」なのです。


🧳 オマーン留学・アラビア語学習を考えている方へ

オマーン館を見て「オマーンに行ってみたい!」「アラビア語を学んでみたい」と感じた方へ向けて、私の実習体験をベースにした詳細記事を公開しています。ぜひ参考にしてみてください!

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🔟 まとめ|万博で出会えた、私の一生の宝物

注目ポイントオマーン館のハイライト
テーマ「土地・水・人々」が紡ぐ自然との共生ストーリー
建築美水が流れるガラス天井、ミスト、自然光が包む幻想的空間
自然と歴史ハジャール山脈、ワヒバ砂漠、世界遺産の水路「ファラジ」
文化乳香の香り、オマーンコーヒー、温かな「おもてなし」
未来像持続可能な社会と経済多角化を目指す『Oman Vision 2040』
体験談展示をきっかけに現地へ渡航したからこそ分かる本物の魅力

オマーン館は、私にとって大阪・関西万博で「最も思い出深く、人生を変えてくれたパビリオン」になりました。

単なる未来技術の提示にとどまらず、自然への尊厳と人との繋がりを大切にするオマーンの姿勢は、万博のテーマ「いのち輝く未来社会」の真の答えの一つを示してくれていたように感じます。

皆さんもぜひ万博を通して世界のワクワクする扉を開き、一歩外の世界へ飛び出してみてください!


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