2027年3月19日から9月26日まで横浜・上瀬谷で開催されるGREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)。
各国の海外展示が徐々に具体化するなか、個人的に注目したいのがタイ王国のThailand Pavilion(タイ館)です。
タイ館が興味深い理由は、パビリオンのデザインや展示内容だけではありません。
実はタイは、GREEN×EXPO 2027の次となるA1クラス国際園芸博覧会として、「Expo 2029 Korat(コラート国際園芸博覧会)」の開催準備を進めている国でもあります。AIPHではすでにA1として承認され、2026年2月にはタイ政府がBIEへ正式な認定申請を提出しました。
前回のA1国際園芸博覧会がExpo 2023 Doha(カタール)、2027年が横浜、そして次がタイ・コラートへ。
そう考えると、横浜に登場するタイ館は単なる海外パビリオンではなく、次のA1国際園芸博覧会を控えるタイが、世界へ自国の園芸、農業、文化、そして2029年への期待を発信する重要な舞台にもなりそうです。
GREEN×EXPO 2027のタイ館とは?
タイは2025年10月14日、GREEN×EXPO 2027への公式参加契約を締結しました。
横浜会場では、国際出展エリアのType 1:Outdoor Exhibition Spaces(Standard Type)・Plot 4Dに出展し、面積は619㎡です。
タイ農業・協同組合省の農業普及局が中心となり、コンセプトには
“Collaboration with Nature: Caring for Life, Cultivating the Future”
(自然との協働:命を慈しみ、未来を育む)
を掲げています。
単にタイの花や植物を並べるのではなく、タイらしい文化や暮らし、農業、最新技術、イノベーションを組み合わせた「Living Exhibition=生きた展示」として構成される計画です。
デザイン・展示コンセプトは「Fallen Flower」
タイ館では「Fallen Flower」を自然の循環の物語へとつなげ、大地から種が生まれ、成長し、再び花を咲かせる姿を表現します。
そして、再び咲く花を「Blooming Flower」として、希望、生命の適応、新しい始まりを象徴しています。
つまり、
大地 → 種 → 成長 → 開花 → 新たな始まり
という生命の循環を、建築や展示のストーリーを通して表現する計画です。
GREEN×EXPO 2027の海外展示の中でも、建築と庭園を一体で楽しめそうなパビリオンの一つになりそうです。
最新情報では館内展示は5つのゾーンに
さらに2026年8月20日にタイ農業普及局が開催した準備会議では、常設展示の構成がかなり具体的になっています。
| ゾーン | 内容 |
|---|---|
| Zone 1 | Welcome Hall |
| Zone 2 | Indoor Exhibition |
| Zone 3 | Conclusion |
| Zone 4 | Event Space |
| Zone 5 | Thai Garden |
Zone 2「Indoor Exhibition」の5テーマ
- Food:健康につながるタイの食
- Herb:タイのハーブ・伝統的な知恵
- Garment:健康とタイ繊維
- Shelter:健康的な住空間
- Belief:心のウェルビーイング
出典:タイ農業・協同組合省農業普及局「Thailand Pavilion Expo Yokohama 2027」
【最新情報】タイ館の館内展示がさらに具体化!「食・ハーブ」が最大30%
GREEN×EXPO 2027(横浜園芸博)のタイ館について、タイ農業普及局(Department of Agricultural Extension:DOAE)が公開している展示情報から、館内の展示構成や各エリアの割合がより具体的に見えてきました。
タイ館では、単に植物を展示するだけではなく、**「タイの園芸を通じて、よりよい暮らしをつくる」**という考え方のもと、植物が住まい・食・衣服・健康など、タイの人々の暮らしとどのようにつながっているのかを紹介します。
館内は、まるで「タイの家」を巡るように展示を体験していく構成となる計画です。
タイ館の展示構成
🌸 お出迎えの庭|10%
タイ館の展示は、花や緑を使った壁面展示などからスタート。
来場者を植物に囲まれた空間へと迎え入れ、これから始まるタイの園芸と暮らしを巡る展示へ導きます。
🏡 住まい|20%
「住まい」のエリアでは、家づくりや生活用品などに植物を取り入れてきたタイの知恵を紹介。
植物が単なる観賞用ではなく、人々の日常生活を支える存在であることを伝えます。
🥗 食・ハーブ|30%
館内で最も大きな割合を占めるのが、「食・ハーブ」の展示で全体の30%です。
料理に利用される植物やタイのハーブ、その活用方法などを通して、植物と食文化の深いつながりを紹介します。
タイ料理やハーブ文化で知られるタイらしさを感じられる、館内展示の中心的なエリアになりそうです。
🧵 衣服・織物|25%
続いて全体の25%を占めるのが「衣服・織物」。
植物からつくられる繊維や染料、衣服などを通して、園芸や植物がタイの伝統的なものづくりや暮らしにも活用されてきたことを紹介します。
🌿 心と体の安らぎ|15%
最後のテーマは「心と体の安らぎ」。
自然やハーブを生活に取り入れた健康的な暮らしなど、植物とウェルビーイングとの関係を紹介するエリアです。
展示を巡った後には、タイ館での見学体験を振り返るエリアも計画されています。
「植物を見る」だけではないタイ館に
今回明らかになった展示構成を見ると、タイ館は美しい植物や庭園を鑑賞するだけのパビリオンではありません。
住まい → 食・ハーブ → 衣服・織物 → 心と体
と展示を巡りながら、植物がタイの人々の生活そのものとどのようにつながっているのかを体験できる構成になっています。
特に「食・ハーブ」が30%、「衣服・織物」が25%と、館内展示の半分以上を占めている点にも注目です。
外観や庭園だけでなく、館内でタイの食文化やハーブ、伝統的な植物利用まで知ることができるパビリオンになりそうですね。
GREEN×EXPO 2027の開幕に向けて、タイ館の展示内容もかなり具体的になってきました。
今後、実際の展示物や体験コンテンツなどが発表されれば、K-WayYesでも引き続き紹介していきます。
出典:
タイ農業普及局(Department of Agricultural Extension:DOAE)
味・香り・視覚・音――五感で楽しむタイ館へ
2025年の公式参加契約時にも、タイ側はThailand Pavilionについて、味覚、香り、視覚、音を使ったマルチセンサリーな体験になると説明しています。
さらに、土壌の健全性の回復、地域社会の力を高めること、そしてテクノロジーを思いやりとともに活用する未来像などを通して、持続可能性、レジリエンス、バランスを重視するタイの姿勢を紹介する計画です。
タイ農業普及局は、園芸作物だけでなく、ハーブ、品質の高い果物、農産加工品、アグリツーリズムなども国際的に発信する機会としてGREEN×EXPO 2027を位置づけています。
園芸博の中でも、比較的「タイ旅行」や「タイ料理」の延長から入りやすい海外展示になるかもしれません。
2027年は日本・タイ外交関係140周年
さらにGREEN×EXPO 2027が開催される2027年は、日本とタイの外交関係樹立140周年にあたります。
両国は1887年の「日暹修好通商に関する宣言」以来、長い交流を続けてきました。
その節目の年にタイが横浜で大型の国際展示を行うことになり、タイ側でも140周年を意識した展示・PRについて検討が進められています。
園芸・農業だけではなく、日本とタイの関係を伝える場としても注目したいところです。
そして2029年、国際園芸博はタイ・コラートへ
タイ館を考えるうえで、もう一つ外せないのがExpo 2029 Koratです。
AIPHの現在の予定では、GREEN×EXPO 2027の次のA1国際園芸博覧会として、
| 項目 | Expo 2029 Korat |
|---|---|
| 開催地 | タイ・ナコンラチャシマー県(コラート) |
| 会期 | 2029年11月10日〜2030年2月28日 |
| テーマ | Nature and Greenery: Envisioning the Green Future |
| 区分 | AIPH承認 A1国際園芸博覧会 |
| BIE | 2026年2月に認定申請を提出(BIE認定手続き中) |
と計画されています。
タイでA1国際園芸博覧会が開催されれば、2006〜2007年のチェンマイ「Royal Flora Ratchaphruek」以来となります。前回のタイ開催では約380万人が訪れました。
そして興味深いことに、2026年8月20日のThailand Pavilion準備会議では、すでに「International Horticultural Expo 2029 Korat Thailandへの開催国引き継ぎ」も検討事項として挙げられています。
つまり横浜でのタイの出展には、
「GREEN×EXPO 2027に参加する国」
というだけではなく、
としての意味も加わってくるわけです。
カタールから横浜、そしてタイへ
この視点で海外パビリオンを見ると、GREEN×EXPO 2027はさらに面白くなります。
前回のA1国際園芸博覧会は、2023年10月から2024年3月まで開催されたExpo 2023 Doha Qatarでした。テーマは「Green Desert, Better Environment」。会期中には420万人を超える来場者を迎えました。
そして2027年には横浜。
さらに2029年にはタイ・コラートへ。
横浜園芸博では、前回開催国のカタールと、次回開催予定国のタイが同じ会場に出展することになります。
これは個人的にも非常に興味深いポイントです。
それぞれのパビリオンを見ることで、
ドーハ2023 → 横浜2027 → コラート2029
と続いていく国際園芸博覧会の流れまで感じられるかもしれません。
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タイ館は「2029年への予告編」として見てみたい
Thailand Pavilionは、花や庭園を見るだけでも十分楽しめそうですが、K-WayYesではもう一歩先まで注目していきたいと思います。
タイが横浜でどんな農業技術を紹介するのか。
どんな植物や文化を通して「タイらしい未来」を表現するのか。
そして、その経験が2029年のコラート国際園芸博覧会へどのようにつながっていくのか。
GREEN×EXPO 2027のタイ館は、ある意味で「Expo 2029 Koratへの予告編」でもあります。
前回開催国カタールの展示とあわせて、ぜひ注目したい海外パビリオンの一つです。
※本記事は2026年8月30日時点でタイ農業・協同組合省、農業普及局、GREEN×EXPO 2027協会、AIPH、BIEが公開している情報をもとにAIを使って整理しています。パビリオンの設計・展示内容等は今後変更される可能性があります。



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